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イスラエル60歳、還暦か〜。
いつも仲良くしていただいているテヘランのサラさんがブログお休み中なので、わたしが代わって愚痴ブログを受け継ぐことにしました(なんちって。笑)。

来週だったかにユダヤコミュニティーで行われるイスラエル建国60年記念パーティーで、わたしがこれまでに撮ったイスラエルの写真のエキシビジョンをすることになりました。はい、先日いきなりその話をいただいて、オープニングは来週です(大丈夫か?笑)。

そこでイスラエルにも留学した経験もあるLさんとの打ち合せに行って来たのですが、うーむ・・・、ポリポリ・・・、コンセプトがよくわからない。イスラエル建国記念、つまりユダヤの国であるイスラエル建国を祝っての写真展なのだが、信仰者は抜きにしてまったく世俗社会だけのイスラエル、信仰者の映っている写真は一切イヤだという。はっ?なんで???信仰あるユダヤ人はイスラエル建国の祝いに関わってはいけないの?!すると「オーソドックス・ユダヤ人全員」は兵役に就かずイスラエル建国を認めていないから、このイスラエルの60年を支えて来たのは世俗者のみだ、という答えが返って来た。それなのにエルサレムのアラブ人ムスリムの写真はオッケーだという(彼らが兵役に就いているとは思えないが・・・爆)。うーむ・・・またか(もうがっくりくるなあ〜)。

メア・シェアリムなどに住むウルトラ・オーソドックス(超正統派)と呼ばれる人たちが兵役に就くとは聞かないし、彼らの仕事は国から奨学金をもらって生涯勉学なので世俗者のように税金も払わない。中には世俗国家としてのイスラエルは認めないとする人たちもいる。宗教社会に疎いLさんの「オーソドックス全員」とはこの辺りのウルトラ・オーソドックスのことを言っているのか?やれやれ、そのあたりの区別もできていないほどなのに、思い込みがすごすぎやしないか?別に信仰者の肩を持つわけでもなんでもないが、この歪みはなんなんだと。イスラエルの世俗社会と宗教社会の溝は年を重ねるごとにどんどん深まっていく。宗教社会へのステレオタイプをそのまま思い込んでいる人の多くは、宗教社会に近いし友だちもいなければそこに数年住んでみてその社会の実態を体験し理解たわけでもない。知ろうともしない(別に知らなくてもまったくいいのだけれど、だったら知ったか振りをしなければいいと思うし)。

軍隊に信仰者のユニットもあれば、信仰者のみながみなイスラエル建国に反対して兵役に就かないわけでもない。世俗者でも兵役に就かない子もたくさんいるし。そして信仰家庭の子で兵役に就かない替わりにボランティア活動(ナショナルサービス)に就く子もいるわけだから(たいていは軍服着用)。ましてや60年前、ホロコースト後にヨーロッパからやってきたユダヤ人たちの中にはたくさん信仰者たちもいたし、その子供や孫だってイスラエル人としてがんばって来た人も多いだろう。Lさんが留学していたハイファに、戦後ホロコーストを逃れてヨーロッパから移住して来たとあるユダヤ人のご婦人を知っているが、今70代の彼女も彼女のご主人も立派に職業を持ち、働き、税金を納め、子供たちはみな兵役に就き、彼らの孫たちもいずれ兵役に就く。建国当時からイスラエルを支えて来たイスラエル人一家だ。ラビであるご主人とこの一家はオーソドックス以外の何者でもないのに。そう言う人たちは他にもたくさんいる。

と、そんなことなどで、なんだかなあ〜、あまりにも偏りすぎてておもしろくないからやめよっかなあ〜???、と思ったのですが、それじゃあ好きなのを適当に選んでください、といって写真を渡して来た。さー、どーなるんでしょ?(笑)まあ、ほんっとに驚くほど気まぐれなLさんのことだがら、前日になって企画取りやめ、なんてこともありそうだし(笑)。最後に、なにを根拠にそう思うんですか?と尋ねたら「あたしだってオーソドックスになろうと思えばなれるのよ!だけどならないだけよ!」とちんぷんかんぷんな答えを頂いた。なんだやっぱりそれ(世俗コンプレックス)か。

イスラエル60歳、還暦おめでとう。あーたもいろいろ孫ひ孫のめんどうで大変そうだが、がんばれよ〜・・・。

イスラエル60歳、還暦か〜。_e0009669_1456868.jpg

(photo: 灼熱地獄のマサダっす。)
by ck-photo | 2008-05-15 15:16 | 混沌の文化


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