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うちのおかん
うちのおかん、はすごい人だ。

数年前、62歳の時に、交通事故で頭を数針縫う怪我をして救急車に乗った。

救急隊員が無線で病院に連絡を入れる。

「え~と、今、病院に向かう途中です、どうぞ~」
「おいくつの方ですか?」
「高齢者の方です」

ぷっつ~ん!

「ちょっ、ちょっと!こ、こ、こ、高齢てなんやの!
こっちが62歳っていうてんのに、なんで素直にそう言わんのん!か~!失礼やなあ~!」
「す、す、す、すみません・・・。年齢を言うたら失礼かと・・・」
「“高齢”なんていわれるほうが、よっぽど失礼やわ!」

気を使ったのに、かわいそうな救急隊員。
ほんまに頭から血ぃ流してるケガ人なんか?うちのおかん。
ちゅうよりも、単に血の気の多い人?



そんなおかん、と同居しているうちの兄はトイレが長い。
しかも彼は何かにつけて間が悪い。
おかん、が救急車で運ばれている間、

「鬼のいぬまに~♪」

と、何も知らない兄はトイレに小旅行に行った。

「ほ~。おかんがいてへんと、落ち着くねえ~」


ぷるるるる~ぷるるるるる~

「でえへんなあ・・・」

ぷるるるる~ぷるるるるる~

「・・・でたっ!」


「もしもし!あんた~!ちょっと、どこ行ってんのん?人が救急車で運ばれてんのに~」
「トイレ!んコ!」
「くそやろうがくそしてたんか・・・」

おかんは、ほんまに私のおかん、やろか・・・。


うちのおかん、は瞬発芸が得意である。
彼女の口から出るのはその瞬間の気持ち。
それが現実とクロスしているかはあんまり関係がないらしい。
良くも悪くもとても素直なおかた。

去年の11月ごろ、電話での会話。

「お父さんなあ、ちょっとすい臓にガンあるらしいわ・・・。
でも、今はまだ赤ちゃんガンでたいしたことないって。
そのうち手術して取るとかって話やねんて~・・・」

「そうなんや・・・・・」

それから私はかなり落ち込んだ。
父がガンだったら、これからの余命はどのくらい?
もし亡くなったら?父がいなくなる、ってどういうこと???

かな~り、落ち込んだ。

そして昨日の電話での会話。

「お父さんどうしてる?」
「ああ、一週間ほどな、病院入ってるよ~。また心臓の件で」
「あ~、そうなんや。でもそれはいつものやつやろ?
で、この前いってたガンの話、・・・どうなったん?手術はせんでもええのん?」
「はっ?あんた、何いうてんのん???」
「へっ???・・・お母さん、そういうてたやん、去年に・・・」
「え~?知らんで~、ぜんぜんっ。
ガンとちゃうよ。すい臓の調子がちょっと悪いだけなんやでっ」

・・・・・・あの心配はっ?!うちのこの数ヶ月の苦しみはっ?!・・・・なんやったんやっ????

おかん、すごいなあ。
たくましい~。長生きしてください。

って、この前は星山のキムチをどっか~ん!と食べて、
スイミングで1800メートル泳いだんやて。
さすが星山のキムチ~って感動してはった。
で、その後に気持ち悪くなって吐いたんだそうです。
しばらくはキムチは食べたくないわ~、だは~、って笑ってたわ・・・。

この調子やったら、心配せんでもうちよりも長生きするわなあ・・・。


うちのおかん_e0009669_2247355.jpg

おかん、の描く絵。
by ck-photo | 2006-02-20 00:42 | 混沌の文化


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