タグ:ヘブライ語&イディッシュ語 ( 10 ) タグの人気記事
Klezmer(クレズマー)音楽
クレズマーとは、何千年ものあいだヨーロッパで離散したユダヤの民の歌。心のどこか一番深い場所で、いつか祖国イスラエルへ帰還する日を願い、何代にも渡って伝えてきた歌。悲しい心の叫び、人生の喜び、そして希望。そんなものがいっぱいに詰まった歌、それがクレズマー音楽。

日本では、公演1100回を超える森繁久弥氏のロング・ラン・ミュージカル『屋根の上のバイオリン弾き』がそんなクレズマーなユダヤ世界。このミュージカルは世界各国で公演され続け、ロシア革命直前のユダヤの迫害、そして彼らが離散してゆく過程を、ウクライナに住むテヴィヤとその家族を通し、伝統とは、家族とは、祖国とは、を描いている。

最近のクレズマーシーンでは、わたしの知人でもありレゲー・ミュージシャンから180度の転向を遂げたダニエル・アハヴィエル(Daniel Ahaviel)がイチオシ。彼の奏でるバイオリンは、彼のソウルミュージック。まさにユダヤの魂の音。出身地のロンドンではレゲーバンドで活躍していたが、ある時、自分のルーツであるユダヤとその音楽に目覚め、エルサレムへと帰還した。現在はエルサレムを拠点に、ヨーロッパ、アメリカ、そして南アフリカで離散したままのユダヤの民の元へとバイオリンひとつで飛び回る。 
e0009669_2005583.jpg


e0009669_21334285.jpgもうひとつ、クレズマー音楽で聴き逃せないのは、なんといってもMuzsikas(ムジカシュ)の『The Lost Jewish Music of Transylvania(失われたトランシルバニアのユダヤ音楽)』。ハシッド・ウェディング・ダンスなどいかにも東欧のクレズマらしい音楽。むかしの東欧では、ユダヤの結婚式と宴は安息日の晩に行われることも多く、安息日にユダヤ人が楽器を弾くのは禁じられているため、代わりにジプシーなどが結婚式でクレズマーを演奏することもありました。MuzsikasのこのCDはこちら(Amazon)にて購入できます。

クレズマー音楽に関心のある方はこちらも参考に。
[PR]
by ck-photo | 2007-06-18 20:25 | ユダヤ雑学
本のゆくすえ
本日の一枚。

うちの近所で見かけた光景。
オーソドックス・ユダヤのおじいちゃんとおばあちゃん。
スーツケースをもってどこへ行くのでしょう。
e0009669_11125668.jpg

おじいちゃんの隣には、大きなごみのタンクというのか、なんというか。
どこかの家でも直しているのかな、廃材が入れてありました。
エルサレムではこういう大きなごみタンクが、
ででーんっと路上で居座っていることが多いですね。

そして左手前の、鬼太郎の小屋のようなものですが、これも一種のごみ箱。
本専用の箱で、いらなくなった、または古くなったユダヤの宗教に関する書物はこちらに。

ヘブライ語で書かれたユダヤの宗教に関する書物には、
神の名や、ユダヤの宗教での聖なることがらが書かれているので、
むやみに捨てたり破いたり、燃やしてはいけないことになっています。
マドンナや他の芸能人(?)が学んでいるらしい、カバラと呼ばれるユダヤの神秘主義では、
ヘブライ語の文字を重ねたり破いたりすることによって、
その文字の持つ意味が変わってしまうと言われています。


そこで、黒ひげも(正統派ユダヤ)の各コミュニティーには、
こういった本の箱を起き、そこに集められた書物は専用の場所で丁寧に処分されます。


たかが本一冊、と思うかもしれませんが、ところ変われば品変わる。
彼らには、されど本一冊、なのでしょう。

これとは理由がちがうと思いますが、
わたしも子供のころから、本を大切にするようにと両親に教わりましたが、
今の時代はどうなのでしょう。


追記:書き忘れていましたが、本だけではなくてヘブライ語で書かれたチラシや印刷物も多いですね。これを書いた後で、正統派の街の一角でちょうど箱を開けているところを見ました。たくさんの印刷物を袋に詰めて、どこかに持っていくところだったようです。
[PR]
by ck-photo | 2006-10-01 11:49 | ユダヤ雑学
レイチェルは「雌のひつじ」 
(旧ブログに載せたヘブライ語の名前ですが、リクエストがあったのでもう一度こちらに載せておきますね。)

日本の人の名にはたいていの場合、それぞれ意味がありますが、外国の人の名はどうでしょうか。現在の一般的な欧米の名前では、意味を持たない名、または単なる響きとなっているようです。しかし、それらの名の語源をたどれば、旧約聖書に登場するヘブライ語に基づく名が数多くあります。

旧約聖書に登場する名は、その人の元々の名というよりも、旧約聖書の各エピソードの役柄に応じて名が付けられています。なので、旧約聖書を知らずに名の意味だけを読んでみるとかなり意味不明のことも。

例えば、ヤコブ(英語圏ではジェイコブまたはジェームス)という名には、「かかと」と「要領よく人
の裏をかいてゆく」という意味があります。これは、ヤコブが生まれた時に、双子のエサウのかかとをつかんで生まれてきたことから「かかと」という名に。そしてもう一つの「要領よく裏をかく人」という意味は、ヤコブは一家の柱であり、子供たちの父として日常的に生活してゆくには、要領よく生きてゆかねばならなかった。そこでヤコブは「かかと」のほかに「要領よく裏をかく人」という意味となりました。

そののち、ヤコブは神によって「イスラエル」と改名します。「イスラエル」は一国の名でもあり、またユダヤの民の名。「イスラエル」とは、神に向かって戦う人という意味ですが、これは神に反感して戦うのではなく、神と対話するという意味において戦う人ということです。そこで、旧約聖書では、ヤコブは家庭の人として登場する時にはヤコブと呼ばれ、民の長としての場合はイスラエルと呼ばれています。


では、男性の名前からスタート!名前の横の( )内は同じ名前の英語読みです。

 名前            その意味と説明
 ↓                  ↓
■アダム : 人 (ヘブライ語では土をアダマといい、神はアダマから人を創ったことから)

■アブラハム : 国民の父 (アブラハムの元々の名はアブラムでしたが、
          アブラハムとなることで、すべての父という意味になった) 

■ノア : 休む、慰める (ノアの箱舟の話より。
     ノアの時代、洪水によって文明が途絶えたことから)

■アベル : 息を吐く (吐かれた息は消え、何も残らない。彼の後には何も残らないと言う意味)

■カイン : 何かを完成する

■イツハック (アイザック) : 笑う (神はすぐにサラが妊娠出産すると告げたが、
                  100歳近い夫にはそれは無理だとサラが笑ったことから。
                  イツハックはサラとアブラハムの息子)  

■ヤコブ (ジェイコブ、ジェームス) : かかと (双子の兄弟のエサウのかかとをつかんで生ま                        れたことから)、要領よく裏をかく人 

■エサウ : 赤い (誕生時に全身が赤かった、行動が早く鼓動が早いことから)

■ヨセフ (ジョセフ) : 彼は加わる (ラヘルの子供として加わったことから)

■モーシェ (モーゼス) : 水から引き上げられた、生き残る (赤ちゃんの時にナイルの水から                引きげられた、またはユダヤの民をエジプトから引き上げたことから)

■アロン : 力の山

■サムエル (サミュエル) : 神は聞いた (神がサムエルの母親ハナの願いを聞き、
                  サムエルが生まれたことから)

■イェフダ : 神に感謝する (母親のレアが神に感謝したことから。
        ヘブライ語ではユダヤはイェフディムと呼ばれますが、
        これは神に感謝するというこのイェフダという意味から)

■ベンヤミン (ベンジャミン) : 右手の息子、南の息子
                   (南部のヘブライの民の長となったことから)

■ヨナタン (ジョナサン) : 神は与えた

■ダヴィデ (ディヴィッド) : 最愛の

■ソロモン : 平和 (シャロムから)

■ミハエル (マイケル) : 神に勝るものはいない (女性はミハル、ミッシェル)

■シモン (サイモン) : 聞く

■ダニエル : 神は私の裁き

■ヨエル (ジョエル、ジョー) : 神は神である

■アリエル : 神の獅子

■バラク : 雷 (過去のイスラエルの首相にいましたね)

■イェホシュア、ヨシュア (ジョシュア) : 神は救う、彼は救う

■イマニエル (イマニュエル) : 神は我々と共にいる


女性の名前です。

■ハヴァ (イヴ) : 命、生きる、息をする (すべての人の母であることから)

■サラ (セーラ) : プリンセス 

■ハナ (アンナ) : 神授の才、気品

■ミリアム (マリア) : 苦い 

■ラヘル (レイチェル) : 雌羊

■リフカ (レベッカ) : 罠 (息子エサウを罠にかけたことから)

■レア : 雌のシカ、疲れた

■ミハル (ミッシェル) : 神に勝るものはいない (男性はミハエル、マイケル)

■エステル (エスター) : 星 (元々はペルシャ語の言葉)、隠された

■ショシャナ : 百合、バラ

■デボラ : 蜂

■アビガエル (アビゲール) : 私の父は喜び

■ハダル : 貴重な、輝き

■マヤ : 水 (マイム=水、から)

■ナオミ : 愛想のよい、愉快な、心地よい

■ティクヴァ : 希望 (イスラエルの国歌は「ハ・ティクヴァ」。「希望」という歌ですね。)


最近のイスラエルの世俗社会では、ハナ、リフカ、エステルなど女性の宗教的な名前は古臭く、年寄りの名前と笑われることもありますね。しかし、ユダヤの宗教社会では、これらの名は今でもごく普通に新生児に付けられ、サラ・リフカ、デボラ・レアなど二つの名が付けられることも多い。その名にあやかるようにと、子に対する親の思いは国や宗教が異なっても同じなのでしょう。

女性とは反対に、世俗社会でも男性の名前は宗教的な名もまだ付けられることも多いのがちょっともしろいですね。やはりアブラハム、ヤコブ、アロン、モーシェ、など旧約聖書の登場人物の名が一般的ですね。 宗教的ではない名ではエレズ(レバノン杉)やリオール(光)などといった名前がよく見られます。

そして、同じ名前でも、スファラディー系、アシュケナジー系などの系統によって呼び方が変化します。例えばサラという名だと、スファラディー系ではサリットとなり、アシュケナジー系のイディッシュ語ではスリ、スラとなります。余談ですが、トム・クルーズの娘さんはなぜかしらヘブライ語の名でスリちゃんと伝えられていますが、これはヘブライ語ではなくイディッシュ語なのでしょう。

男性の一般的な名のモーシェも、スファラディー系ではそのままモーシェですが、イディッシュ語ではモイシーとなり、モロッコ系などになるとモシコー、「シ」に強調アクセントと、ドスコイっ!なイメージに変化。

と、まあこんなところでしょうか。
[PR]
by ck-photo | 2006-09-28 23:57 | ユダヤ雑学
言葉の根っこ
あっという間に9月も半ばを過ぎてしまいました。ばたばたとした日々をすごしながら、気がつけば、来週はユダヤの新年がやってきます。一年、また一年。月日がたつのが早いなあ~。ユダヤの新年については、また、のちほど。

新年なので大晦日、というわけではありませんが、忙しいときに限って家の大掃除をしたくなる。ほら、テスト前になると、普段しないことをいそいそとはじめたり、部屋の掃除をしてみたり。出てくるわ、出てくるわ、いらなくなった書類、メモ、パンフレットなどなど。一日掃除をして、ちょっとは机周りもすっきりしたようです。

さて、まったくそれとは関係ない話。いきなりですが、先日のこと。仕事の合間に、イスラエル人のE君の、生まれたばかりの息子の名前について話していたときの会話。


「エロンという名にしたんだ」とE君。

「エロン、エロン、エロン・・・・なんだったかな、この意味。
ああ、アロンと同じ語源だから、オークの木だね。いい名だね」

「いいや、エロンはエロン。単なる名前だから意味なんてないよ」

「いいや、エロンはアロンと同じ語源。
ヘブライ語の言葉には、それぞれちゃんと語源と意味があるよ。たとえば・・・」



シェメシュ shemesh
שמש =太陽


シュマシュ Shamash
שמש =召し使い



ヘブライ語で「太陽」は「シェメシュ」。そして、非常によく似た「シャマシュ」は「召し使い」。このふたつの言葉、つづりは同じでも、意味がまったくちがうはどうして?


太古の昔、人々は太陽を崇めていた。
しかしある時、太陽は崇めるべき神ではないことに気がついた。
太陽は光や生命を与えるが、それよりも大きな神が存在するのだと。
つまり、太陽は神ではなく、神の召し使いであると。

そこで、「太陽」という言葉から、「召し使い」という言葉が生まれた。



もうひとつはこんな言葉。


レヘム Lechem
לחם =パン


「レヘム(パン)」という言葉。そしてそこから生まれたのが、


ロヘム Lochem
לוחם =戦士



ニルヘム Nilchem
נלחם =戦争で戦う



ミルハマ Milchama
מלחמה =戦争




「パン」が「レヘム」で、「ロヘム」は「戦士」。
そこから戦争、戦う・・・?
戦争と平和ならぬ、戦士とパン?

昔、人々はパンを求めて争った。
そうしてパンは戦争、戦士という言葉へと。



人はパンのみにあらず・・・ですが、そう簡単に戦争されるのも困ったものです。
ん?なんだか変なオチですね。


ちなみに、旧約聖書をヘブライ語で読んでいくと、なかなかおもしろい。
他の言語に訳されたものではわからない、ヘブライ語の言葉や意味、語源が「おお~っ!」。
やはり旧約を読むのはヘブライ語が一番でしょうね。




[PR]
by ck-photo | 2006-09-17 02:13 | ユダヤ雑学
ろんぎ好き
e0009669_0455630.jpg


ゆだやの人は論議好き
おーそどっくす・ゆだやの街
メア・シェアリムの街角で

どこでも論議
ゆだや人
3人寄れば4つの意見

なにを話していたのかはわからなかったけど
とってもニコニコと楽しそうに論議していたよ

限りなく 「屋根の上のバイオリン弾き」な イディッシュ語の世界



少しこの世界をのぞき見たい方はこちらでどうぞ~。
[PR]
by ck-photo | 2006-07-01 00:50 | 混沌の文化
To Me You Are So Beautiful バイ・ミル・ビスト・ドゥ-・シェーン

.... בײ מיר ביסטו שײן ,ביי מיר האסטו חן

e0009669_11581366.jpg


「私が知り合ったすべての男友だち 
それもたくさん男友だちはいるけれど
あなたにはじめて会うまで私は孤独だった
あなたが現れたとき私の心は軽やかになって
いつもの世界がまるで新しくなったかのように見えたのよ

あなたは本当にすばらしいって認めざるを得ないわ
あなたにはあなたにふさわしい言葉しか似合わないわ
だからあなたのすばらしさを説明できないかしらって 
頭をひねって考えてみたの

バイ・ミル・ビスト・ドゥ-・シェーン どうか説明させて
バイ・ミル・ビスト・ドゥ-・シェーン あなたがすてきだって
バイ・ミル・ビスト・ドゥ-・シェーン もういちど説明するわ
この世でかけがえないのはあなただってこと

ベーラ!ベーラ!って言ってもいいし
ヴンダバーって言ってもいいわ
どんな言葉だってかまわない 
あなたがどれほどすばらしいかって伝えたいだけ

とにかく説明したかったの
バイ・ミア・ビスト・ドゥ-・シェーンってこと
だから私にキスをして
そしてわかったって言ってよ!

バイ・ミル・ビスト・ドゥ-・シェーン もう聞き飽きたかしら
だけど説明させて
バイ・ミル・ビスト・ドゥ-・シェーン あなたがすてきだって
バイ・ミル・ビスト・ドゥ-・シェーン 古ぼけた歌い文句かしら
だけどもういちど言わせて
私にふりむいてほしいって

ベーラ!ベーラ!って言ってもいいし
ヴンダバーって言ってもいいわ
どんな言葉だってかまわない 
あなたがどれほどすばらしいかって伝えたいだけ

とにかく説明したかったの
バイ・ミル・ビスト・ドゥ-・シェーンってこと
だから私にキスをして
そしてわかったって言ってよ!

(日本語訳:CK-Photo)


Of all the boys I've known, and I've known some
Until I first met you I was lonesome
And when you came in sight, dear, my heart grew light
And this old world seemed new to me

You're really swell, I have to admit, you
Deserve expressions that really fit you
And so I've wracked my brain, hoping to explain
All the things that you do to me

Bei mir bist du schon, please let me explain
Bei mir bist du schon, means you're grand
Bei mir bist du schon, again I'll explain
It means you're the fairest in the land

I could say bella, bella, even say wunderbar
Each language only helps me tell you how grand you are
I've tried to explain, bei mir bist du schon
So kiss me, and say you understand

Bei mir bist du schon
You've heard it all before, but let me try to explain
Bei mir bist du schon means that you're grand
Bei mir bist du schon
Is such an old refrain, and yet I should explain
It means I am begging for your hand

I could say bella, bella, even say wunderbar
Each language only helps me tell you how grand you are
I've tried to explain, bei mir bist du schon
So kiss me, and say that you will understand」



1933年に書かれた古いイディッシュ語の歌

ユダヤの姉妹バリー・シスターズ(The Barry Sisters)がイディッシュ語で歌い
のちに英語に訳されてアンドリュー・シスターズ(The Andrew Sisters)で大ヒット
ベニー・グッドマンにも演奏されて古典ジャズにもなった
1993年の映画「Swing Kids」のラスト・シーンでも挿入されていたんだって


わたしのこころに響くそんなイディッシュ語の歌、日本語に訳してみました
イディッシュ語の歌詞も載せたかったのでインターネットで探してみたけど
見つからなかったのがちょっと悲しい


どんなメロディーか聴いてみたい?
この2つを聴き比べてみるとおもしろいよ


■バリー・シスターズ(The Barry Sisters)のちょっと悲しげなユダヤのメロディーで、
イディッシュ語のバイ・ミル・ビスト・ドゥ-・シェーン:ダウンロードはこちら

■アンドリュー・シスターズ(The Andrew Sisters)のスィング・ジャズっぽいアレンジで、英語のバイ・ミル・ビスト・ドゥ-・シェーン:ダウンロードはこちら

(上記の下線部をクリックした後に表示されるページのグリーン色の「Download Now」をクリックしてください。ダウンロードはこれからの一週間の限定。)
[PR]
by ck-photo | 2006-03-22 03:06 | 混沌の文化
言葉っておもしろい 〜アメリカン・イディッシュ英語
日本語よりも英語の方が得意になる理由? 
言葉と文化とコミュニケーション

言葉と環境の関わりのおもしろさについて考えた。やっぱり言葉って、環境にそって発達して行くもので、それが母国語であっても環境によっては忘れていくこともあるんだなと。そしてまた再びその人にあった母国語の形なり、または他の言語でありを見つけ出すこともあって。そんなことを思っていると「すべってころんでかかとがとれた」という多和田葉子さんの著書を思い出した。

そして、一言に英語と言ってもイギリス英語、アイルランド英語、オーストラリア英語、南アフリカ英語、アメリカ英語などなどアクセントのちがいはもとより意味のちがいなど色々とありますが、ここ数年、日本語を押しのけて第一言語になりつつ私の英語ってナンだろう?と改めて思ったら、かな~り、へんてこりんな英語。母国語である自分の日本語についての話は、また別の機会にでも。

そして英語が第一言語になりつつあっても、いざ英語圏に行けば「イスラエル訛りの英語だね」と。これって、全然自慢できることではない気がする。しかし、私の話す英語って実はイスラエル英語ではなくて、イディッシュ英語なんじゃないかと。

TB先のお話とはずれますが、ちょっと思いついたおもしろいイディッシュ英語をいくつか挙げてみました。NYなどイディッシュスピーカーの多いところではこんな英語も耳にします。

This is geshmack! むっちゃ美味しいやん!
(Geshmack ゲシュマック =おいしい)

Gevolt! That is great!  すごい!
(Gevolt! ゲヴォルト =すごい! )

He is a mensch.  真のオトコだね〜。
(Mensch メンチ =男の中の男)

He acts like a real meshungina.  クレイジーなヤツやなあ。
(Meshungina メシュガナ =クレイジ~な人)

What kind of mishigas is that?  なんちゅうクレイジーな。
(Mishigas ミシュガス =クレイジ~なこと)

I was noshing all morning.  午前中はポリポリ食べまくってたよ。
(Noshing ナッシング =むしゃむしゃつまみ食いすること)

I had to schlep it across the town.  これを街中、引きずって歩いたワ。
(Schlep シュレップ =引きずる)

He's a schmuck.  あいつ、サイテーやね。
(Schmuck シュマック =サイテーなヤツ)

Your clothes look like a shmatas.  あんた、それ、ボロ着てるみたい・・・(ダサい・・・)。
(Shmatas スマタス =雑巾、ラグ )

I am such a klatz.  いやー、うちってドンクサイわ〜。
(Klatz クラッツ =どんくさい人)

Good bye! Zai gezundt!  ごきげんよう。
(Zai gezundt ザイ・ゲズント =お元気で、神のご加護あれ)


こんなのがイディッシュ英語の日常語です。英語圏の方々、いくつほどわかりました?
[PR]
by ck-photo | 2004-12-22 19:14 | ユダヤ雑学
魚とサカナ - 旅行の役にも立たない ヘブライ語ミニミニ講座
ヘブライ語と日本語、まったく違う言葉なのに、どことなく似たような発音。

☆名前編

秋葉さんとアキヴァさん(決してアキバ系ではない。笑)
痛いとイタイさん(男性の名前ね。うーん、微妙。)
公園とコーエンさん(典型的なユダヤ姓)
坊主さんとボァズさん(ちと苦しい・・・。)
お花さんとオハナさん(モロッコ系に多い苗字)
花とハナ(女性の名前)
田丸さんとタマルさん(女性の名前)
えん魔君とドロン君(これも男性の名前)
美晴さんとミハルさん(女性の名前ね)
日産とニッサン君(これまた男性の名前)


☆単語編

危ない!=サカナ!(マグロ!・・・ではない)
それがどうした?=アズマ?(それがどうした東さん?)
ほらほら=サァサァ (ほぼ日本語?!)
下痢=シュルシュール(イメージ湧くなぁ・・・)
お母さん=イマ(今、居間にいるからイマ?!・・・すみません。汗)
おちんちん=ブルブル(ノーコメント・・・)
暑い・熱い=ハム 
寒い・冷たい=カ~。(って、カラスかい!)
私=アニ(妹でもアニ?)
おじいちゃん=サバ(やっぱりサバは味噌煮込みだね)


☆擬態語っぽく聞こえる?
クムクム(やかん、湯沸かし器)
バクブック(ボトル。水の音ぶくぶく?笑)


他になにかあったかな?
[PR]
by ck-photo | 2004-11-22 07:24 | ユダヤ雑学
マドンナもお好きなカバラのバシェレット
昨日と今日のここ二日間で、またエルサレムのフレンチ・ヒルとガザ地区で自爆テロといざこざがありましたが、これについて書く気力がないので、他に何かスピリチャルな話しでも。

テヘランのサラさんのブログ「イランという国で」関係ですが「ムスリムの結婚観」という記事を読みましたので、それではこちらは「ユダヤの結婚観」と行きましょうか。

ユダヤの結婚については、以前に結婚式の話で書いているので、今回はアシュケナジーと呼ばれる東方ヨーロッパ系の正統派の結婚について。

ユダヤの正統派社会では、昔の日本のように小学校から一貫して男女は席を同じくせず、何をするにも男女が混ざる事はありません。例えば結婚式ではホールの真ん中にメヒツァと呼ばれる大きな男女分離壁。これも以前書いたのですが、新郎新婦を含め、家族でもメヒツァのあちらとこちら、男女に別れ、ダンスなど各々で宴を楽しみます。また安息日などの食事でも、ゲストに呼ばれた親戚や友人たちもテーブルのあちら側は男性、その向かい側に女性とまちがいが起きないように配慮されます。夫婦の場合は共に並んで座ることもありますが、妻の反対隣には他の女性または子供、そして夫の反対側には男性または子供と、その両隣には同じ性の人が、または子供を異なる性別との間に挟んで座ります。

こんな宗教社会では、自然に年頃の若い男女が出会う場などはなく、いまだに自由な恋愛結婚はまずあり得ません。結婚は子供が15歳あたりから親が親戚やコミュニティーの「シャッドゥカニット」と呼ばれるお見合い斡旋者を訪ね、精神レベルや宗教観レベルなどを考慮し、「バシェレット」探しをします。

この語源はイディッシュ語の「運命づけられた」という意味を持つバシェレットとは、ソウル・メイトのこと。アダムとイブが二人で一人だった様に、この世の中にたった一人いるあなたの残りの半分である相手。ここ数年マドンナがハマってしまいビデオクリップに取り入れたり、ハリウッドでプチブームなカバラ(一般的にはユダヤ神秘主義と言われている)の教えのひとつであるバシェレットは、人が生まれる40日前に誰がその人のバシェレットであるかが決められ、人はこの世に生れ落ちてからその人を探す旅がはじまるとされています。

e0009669_522648.jpgしばらく私が住んでいたNYの正統派コミュニティーを舞台に、カバラとバシェレットをテーマにしたおもしろい映画があります。メラニー・グリフィス出演で、刑事である彼女は捜査にやって来た正統派ユダヤの町で、価値観のちがいに戸惑いながらも、そこで生きる人たちの持つ価値観に心を打たれ始めます。そしてラビの跡取り息子でハンサムかつ優秀な正統派の青年に恋をし、二人の間に徐々に禁断の恋心が芽生える。しかしメラニーが自分のバシェレットではないとを知っている青年は、恋の欲求だけに翻弄されず、やがて真のバシェレットとの見合い結婚へと。かなわぬ恋、住む世界がちがうという現実に打ちのめされたメラニーは、元の世俗の世界へと戻って行くのか。さて、それは観てからのお楽しみということで。*この映画に興味がおありの方はこちら「刑事エデン 追跡者」をどうぞ。

話はちょっとずれましたが、そうしてバシェレットを見つけ、いよいよ夫婦としての生活がはじまるわけですが、腫れた惚れたの末の結婚ではないので、とにかくまだ数回しか見たことのない人との共同生活のはじまりと言ったほうが的を得ていますね。なぜそういう結婚の仕方かというと、結婚とは決して綿菓子で包まれた甘い生活ではなく、毎日のひとつひとつの積み重ねであると。結婚はコツコツした「Work」にその成功があると。なので、熱病のような恋心だけでは続かない。もっとその人の本質と向き合って、協力しあい育ってゆくもの。愛はするものではなく育ててゆくもの。恋はするもの、美しい幻想のようなもの。

保守的と言えばそれまでですが、その価値観を維持し、そこに存在するとてつもない信心を貫くという強さ。ユダヤの正統派の世界と結婚観。さて、あなたは本当のバシェレットに巡り会えましたか?
[PR]
by ck-photo | 2004-09-24 04:57 | ユダヤ雑学
耳に残るは君の歌声
2000年のベネチア国際映画祭で脚光を浴びた『耳に残るは君の歌声(原題The Man Who Cried)』。『オーランドー』に続くサリー・ポッターの力作。出演は『アダムス・ファミリー』や『バッファロー66』のクリスティーナ・リッチ、普通の人の役を演じたことってあったっけのジョニー・デップ(けっこう好きですが)、この女優さんは本当にうまいねケイト・ブランシェット、そして、『ショー・ゲーム』などでおなじみ名脇役ジョン・タトゥーロなど、個性派俳優が勢揃い。
e0009669_574262.jpg

この映画全般に流れる歌や曲がまたなんともよい。ビゼーが書いたオペラ『真珠狩り』の名曲『Je Crois Entendre Encore』がこの映画のテーマソングとして流れ、映画で流れるこのイディッシュ語版が何とも悲しげに魂を揺さぶる。ゆっくり流れてゆくこの映画は、じっくりと一人で観ることをおすすめ。ちなみにイディッシュとはユダヤ(ジューイッシュ)という意味。

『耳に残るは君の歌声』はこちらのAmazonでも購入できます。

ネタバレOKの方はこの先へ。
[PR]
by ck-photo | 2004-07-03 05:04 | 戦争と平和