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Waters of Eden ~楽園の水
e0009669_913042.jpg結婚式についてちょろちょろと書きましたが、今回はユダヤでの既婚女性の月経について。

女のカラダには毎月毎月の変化がありますよね。月のもの、生理。ユダヤの教えでは血はあまりよいものとしては扱われていません。血には魂が含まれているとカバラというユダヤの神秘主義などでは信じられ、カシェルというユダヤ教の食品規定では、お肉に含まれている血はタブー(旧約聖書創世記だい9章4節「ただし,その魂つまりその血を伴う肉を食べてはならない」から)。血の滴るステーキなんて、レストランでもみたことはありません。きちんとカシェルで処理されたお肉は恐ろしいほどに血抜きがされています。

さて、話は生理に戻って、この気だるい生理期間中と生理が終わってからの7日間、身体はゆっくりと休みを取り、次の排卵期へと準備をしていきます。つまりその間の最低12日間、ほぼ1ヶ月の半分、夫は妻に触れることをぐっと我慢。妻と夫はベッドを共にせず、夫は他の部屋で寝たり、ベッドの間を広くしたりと誘惑に負けないように工夫がされます。ま、妻にしてみれば願ったりかなったりかもしれない休暇ですが。宗教色の厳しい家庭では、その期間中の日常生活でも食事時にお皿を手渡したり、間接的に触れることさえしないこともあります。その休息の日々には、女性がついつい忘れがちなこと、自分のカラダの権利者は自分だということを思い出させてくれます。

そして生理開始から約12日が過ぎて、やっと夫は妻に触れることが解禁となるのですが、おっとっと。その前に女性がしなければならないことがあります。解禁の日の夕暮れ、つまり新しい日のはじまり(ユダヤでは一日は日没とともにはじまります)に妻は「ミクヴェ」と呼ばれるところへと行きます。

女性用と男性用に別れたミクヴェは清めの場所。元来ミクヴァは現在のように室内にあるものではなく、天然の水の流れる泉や川でしたが、今は各ユダヤのコミュニティーに立派なミクヴェが建てられています。ミクヴェには、体温ほどに暖められた天然水が常に流れている小さな浴室があり、そこにゆっくりとつま先から頭のてっぺんまで全身沐浴して身を清めます。それを3度ぽちゃんぽちゃんと繰り返し、神に祈りを告げ、ようやく晴れて妻はエデンの園から流れて来る水によって清浄されたことになります(なので水道水ではなく必ず流れのある天然水を用います)。

ミクヴェから帰りリフレッシュした妻。約12日間の短いようでながーい禁欲生活の終わりのハネムーンの夜。この日は赤ちゃんを授かるには最高の日。というのは、日本ではオギノ式などが一般に知られている排卵日の数え方ですが、実は生理が始まってから12~13日目、これが女性が最も妊娠可能な日です。しかし、世のユダヤの男性諸君よ。もし妻が機嫌を損ねてミクヴェへ行かなければ、いつまでたっても妻に触れることはできないので、常に妻には優しくしておかないとね・・・。これは万国共通、世の中の夫諸君に言いたいことですが。(笑)
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by ck-photo | 2004-08-31 09:00 | ユダヤ雑学
ウェディングドレスとソウルメイトの秘密
e0009669_3442357.jpgここ数年では、ミニスカートや胸元の大きく開いたウェディングドレスが流行っていますが、正統派ユダヤの結婚式では、流行に流されずクラシックなロングドレスが主流。袖も長袖か肘まで、胸元も首までしっかりカバーのウェディングドレス。これって不思議なもので、露出度の高いドレスよりも、やはり花嫁はクラシックなウェディング・ドレスのほうがすごく清楚ですてき。さてさて、そんなユダヤのドレスにもちゃんとワケがあった。

一昔前の日本なら「破れ鍋に綴じ蓋」、今風に言えば「Soul Mate(ソウルメイト)」というコンセプトがユダヤ、とくにユダヤの中でもカバラと呼ばれる教義にある。誰にでもその人の欠片があり、その欠片を見つけて結婚することによってはじめて一人前の人となる。そんなソウルメイトに巡り会えるまで、肉体関係は当然のことデートで手を握るなんてとんでもない。身体と心の双方でふれあう、それが許されるのはめでたく結婚し夫と妻となった時。

現代に溢れかえるセックス産業に、意味のないお気軽セックス。中高生でも援助交際なんてほんのお遊び。そんなことがあたりまえの世の中で、こういったソウルメイトの価値観を貫いて生きるというのは、ちょっとすばらしい。

e0009669_3451028.jpg結婚式やお祝いの席でダンスでは正統派では男女別々に踊るとどこかで以前ちらりと書きました。はい、ここにもちゃんとワケがありました。女性の踊っている姿ってセクシーですよね。踊ってる娘を見て「あのコ、いいな~」なんてありがちなことでは?そう、だから、正統派ユダヤでは男性は女性の踊っている姿を見てるのはタブー。が、反対に女性は男性の踊っている姿は見てもよい。どうもユダヤ教は女性に有利なようですね。

そしてこれは歌声にも言えます。男性が女性の生の歌声を聴くのはタブー。でもヒゲヅラ男性のダミ声、OK。そしてもうひとつ。髪は女の命・・・とも言うように、美しい髪の女性、ほれちゃいます。そこで正統派の既婚女性は、既婚ですよという印として髪をスカーフやかつらで隠します。ユダヤ教から数世紀のちにできたイスラームの女性がスカーフで頭を覆っているのは、実はここから。

そういったいわゆるモラルがしっかりと根付いている正統派ユダヤの世界では、他の男性が誰かの妻を好きになっては大変。不倫、これも本当に恐ろしいほどにご法度です。
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by ck-photo | 2004-08-30 03:30 | ユダヤ雑学
遅刻した結婚式
ベイト・シェメシュという街で行われたユダヤ教正統派の結婚式に行ってきました。
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e0009669_22514592.jpg日没と共に一日がはじまるユダヤ教では、結婚式はその日の終わりからはじめにかけてにはじまります。夏のながいイスラエルでの結婚式はガーディン・ウェディングが主流。夕日が沈む頃には、ガーデンの奥に「フパ」と呼ばれる、家の屋根を象徴するテントのようなも(4本の柱に天蓋があれるもの)のが建てられます。そして純白のウェディングドレスに身を包んだ花嫁さんは、女性たちに囲まれて花嫁の椅子に座り、新郎がやって来るのをドキドキしながら待ちます。(どうして左の写真に花嫁さんが座ってないかというと・・・。遅刻しちゃったのでこの部分は終わってましたのです、はい。)

e0009669_2256621.jpge0009669_2253229.jpg新郎と花嫁は結婚式の前の7日間は会わないという習慣があるのですが、男性たちにはやされながら新郎が椅子に座っているベールの花嫁を確認しに来たときにそれがやっと終ります。ここで新郎は7日ぶりに見る美しい花嫁姿の彼女にまた惚れ直すというわけでしょうか。その女性が間違いなく自分の妻となる女性だとベールを上げて確認します。そしてまた新郎は男性たちにはやされながら、いよいよ新居の象徴のフパの下へと向かい、母親に連れられて一歩一歩フパへ近づいてくる花嫁を待ちます。

フパの下ではラビ(ユダヤ教の教師)が式典を行い、新郎が花嫁に金の指輪を渡します。キリスト教や日本で行われる結婚式では、普通は指輪は「交換」ですが、では、この指輪の交換の由来はいかに??

ユダヤでは結婚の貢物はもともとは指輪ではなく、宝石や金銀、そのまた昔には数匹のラクダ、など価値のある品を新郎側が花嫁の父に支払いましたが、時代と共にだんだんと金が主流になり、現代になってそれが金の指輪となりました。それをまねてユダヤ以外の人たちも行うようになり、結婚式の指輪交換という習慣となりました。しかしユダヤの結婚式では、今でも指輪は交換ではなく、新郎から花嫁に渡され、花嫁の左手の人差し指にはめます。花嫁は「確かに新郎からもらいましたよ」と指輪の人差し指を差し出すようにして、ラビとまわりの証人たちに見せます。

次に「ケトゥバ」と呼ばれる結婚の契約書が新郎から花嫁の母に渡されます。このケトゥバには、結婚生活上の「夫の義務」のすべて、たとえば・・・、

・祭りごとに妻に洋服やアクセサリーなどの贈り物をする。
・離婚の際に渡す慰謝料の最低金額。
・妻を喜ばせる夜の生活。

などなど、具体的に「夫」が妻を幸せにするための義務の一つ一つが書かれ、こういう約束をしては一番イ~ヤな相手、そう、義理の母にしっかりと証文として渡されます。その反対に、妻にはどんな結婚生活の義務があるかというと、実は「妻の義務」はなし。なかなか女性としては嬉しいではないですか。男性の皆さん、「日本人でよかった~!」でしょ?

そして結婚式はハイライトへと。フパの下で新郎がワイングラスを力を込めて「バンっ!」と踏みつけて割ります。むかしむかしですが、このワイングラスを踏みつける理由が「なるほど・ザ・ワールド」かなにかでクイズになっていたのですが、結婚という人生の中でも最大級に喜ばしい日、その新しい家庭を築いてゆく初日にも、何世紀も昔のエルサレムで破壊されたユダヤの神殿を忘れない、その崩壊の悲しみを次の世代へと受けついで行くために、ワイングラスを踏みつけます。

e0009669_22541852.jpgバン!というグラスの割れた音と同時に歓声が上がり、結婚式はこれにて終了。ホールへと移動してみんな、ダンス!ダンス!ダンス!食べきれないくらいのフルコース・ディナーが待っています。ちなみに正統派では結婚式以外の行事でもダンスは必ず男女別々。会場に大きなメヒツァと呼ばれる仕切りを置きます。その理由は・・・・、長くなっちゃうのでまた今度・・・。がくっ。
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by ck-photo | 2004-08-30 01:30 | エルサレム・エルサレム
イスラエル史上初のオリンピック金メダル!
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イスラエルが建国されてから50ン年。

これまでにオリンピックで得た金メダルの数はなんと、

ゼロ。

だったのですが、

アテネ五輪ヨット男子ミストラル級で28歳のガル・フリードマン選手が25日にイスラエル史上初の金メダル獲得!ちなみに「ガル」とはヘブライ語で「波」。彼にピッタリの名前。そしてテレビでは「国民的英雄の誕生の瞬間なり!」といわんばかりに、その瞬間とアテネの空にイスラエル国家が流れて旗がひるがえり、大歓声が沸きあがった様子をくり返しくり返し放送。

ここ数年、インティファーダだの何だのと、明るいニュースのないイスラエルでは久しぶりのさわやかニュースでした。
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by ck-photo | 2004-08-29 22:25 | 混沌の文化
エルサレムのエチオピア
エルサレムと聞いてまず思い浮かぶのが、かの有名なキラーンっと輝く丸い「黄金のドーム」か、はたまた黒い人たちが体を揺らしながら祈りを捧げている「嘆きの壁」。しかし。エルサレムにはそんなベタな観光客向けのようなところばかりでありません。

ワタシのいちばんのお気に入りはここ。エチオピア教会。旧市街のキリスト教地区にあるのですが、足を踏み入れれば、もうそこに広がるのはアフリカのエチオピアン・ワールド。

ここに住むエチオピアの人たちはキリスト教の僧侶で、一般の俗世界からまったく切り離された世界の住人達。僧侶の中には敷地内のある部分を決められた時間帯に歩くことは厳禁で、ちょっと高台になったところでのんびりと椅子に腰掛けていたりします。なぜかグリーンに塗られた小さな扉もまた不思議で魅力的。彼らの話す言葉も、エチオピア語とその訛りのあるヘブライ語で、昔見た映画「ブッシュマン」のニカウさんのように気さくで、話しだすとなかなか止まらない。

ただただ、彼らのためだけの静かでゆっくりした時間が流れ、異次元に迷い込んだようなとても不思議な空間。
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by ck-photo | 2004-08-24 22:15 | エルサレム・エルサレム
スカッド・ミサイル・パニック
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2年前にイラク戦争がはじまった頃、春先でしたが、湾岸戦争の時にもそうだったようにアメリカがイラクを攻撃すれば、イラクはイスラエルにスカッド・ミサイルと落とすだろうとパニックになりました。エルサレムでは、写真の左の男性の肩から掛かっている箱(ガスマスク)をどこに行くにも携帯している姿がよく見られました。 

そして、アラブの自爆攻撃やその他の攻撃に備えて、右の男性のようにカジュアルな服装にいとも日常品の一部であるかのように、マシンガンや銃を抱えて歩く若者の姿も街のあちこちに見られた光景です。 

このスカッド・ミサイルのパニックで、実は数人のイスラエルの方が亡くなっています。それというのも、ミサイル攻撃に恐れて窓から何から締め切った家の中で、ガスマスクをしたままバーベキューをしていたイスラエル国籍のアラブ人の一家が、室内換気ができずにガス中毒になって亡くなってしまいました。笑えるような笑えないような話です。
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by ck-photo | 2004-08-23 22:07 | エルサレム・エルサレム
桃色に包まれる金曜の夕暮れ ー 一日のはじまり ー
e0009669_4561916.jpgエルサレムの金曜の午後、安息日がはじまる日没の40分前になると、一分間、街中にサイレンが鳴り響きます。ユダヤ教の一日は日没とともにはじまり、翌日の日没にまた新たな一日がはじまります。ユダヤと一口に言っても、各家庭によっていろいろな生活様式があり、安息日を厳格に守る家庭もあれば、その反対にまったく普段と変わらず普通に過ごす家庭もあります。しかし、イスラエルのそんなユダヤの人たちみんなに共通しているのは、安息日は家族が集う日であるということ。安息日のごちそうが準備された両親の実家へと、家族が集まり、その週にあった出来事などを話しながら夜を過ごします。

安息日を守る家庭では、サイレンがなるまでに安息日の準備をすべて済まします。クッキングやシャワー、読み書き、電話、車や自転車の運転、電気のスイッチのオンとオフ、などなど、安息日に禁じられていることのすべてを金曜の午後までに準備しなければなりません。いよいよ「安息日がもうそこまで来ているよ!準備はよいかい?」とサイレンが街中に告げ、みなそれぞれの安息日を迎えます。サイレンを聞いて慌ててその一日を終える人、すっかり準備が整い、シナゴーグへ向かう人。少しずつ、エルサレムの街は桃色の光に包まれ、自動車の音も聞こえなくなります。あちこちの角からチキンスープのいい香りが漂ってきます。

と、これを書いている今、サイレンが鳴りました。
わたしもゆっくりとFade outすることにしましょう。
また来週。よい週末を。
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by ck-photo | 2004-08-21 04:53 | エルサレム・エルサレム
エルサレムの旧市街のそばにあるアラブの村のそばに壁できた。
壁がこうして村をあちら側とこちら側に分裂させてしまった。
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壁の向こうになってしまったほうはパレスチナ自治区内となり、
これまでのような生活はできるのかどうかわからない。
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写真を撮っていると、こちら側にある谷間の村からアラブの子供たちがいつものようにやって来た。
向こう側の子供たちも大人と同じくこちら側に来ることはできなくなってしまった。
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この子供たちは自分たちのあまり豊かではないアラブの村と、
こちらの花の咲くユダヤの豊かな世界との差をどう見ているのだろうか。
そんなことが気になった。
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by ck-photo | 2004-08-09 04:43 | 戦争と平和
アボガドとカッテージチーズ
e0009669_3403089.jpgカッテージチーズ続きで、アボガドにもよいしょっと。これがまたクリーミーでグー。イスラエルではアボガドは市場でも割合安く手に入り、庭にアボガドの木があったり、ピタパンに塗ったりとポピュラーな野菜。

半分に切ったアボガドの種を出し、そこにカッテージチーズを。スプーンで食べます。かんたんで美味しく栄養もよし。ダイエットしている方にはハイカロリー過ぎるかも?
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by ck-photo | 2004-08-06 03:39 | 中東の食卓+α
2万3000年前のパン
小麦をすりつぶして水を混ぜて焼き上げるという、パン作りの最古の遺跡がイスラエルで発見!年代測定で約2万3000年前の遺跡。

米スミソニアン協会自然史博物館のドロレス・ピペルノ博士ら研究チームは、イスラエル北東部のガリラヤ湖西岸で小麦をすりつぶした石器や生地を焼いた炉などを発掘し、顕微鏡では野生の大麦や小麦のでんぷんの粒が石器に見られると英科学誌ネイチャーの最新号に発表した。


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by ck-photo | 2004-08-06 01:25 | 中東の食卓+α