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月を眺めて 星を数えて
さて、ユダヤの新年も明けまして、何かが変わったかというと、いんや~、口の中が甘ったるいのなんのって。ハチミツも甘いケーキもクッキーも来年の新年まで見たくないわ~という以外、何もカワットリャセン、って感じですが、久しぶりにキッチンの戸棚の奥に忘れ去られていた昆布茶をいとおしく飲み干しました。

月曜の晩、初月の出からはじまった二日間のお正月。そして明日はもうすでに金曜日ですから、ああ、今週は「あっ!」という間に安息日に突入。お正月の火曜日と水曜日の二日間、イスラームな東エルサレムを除くエルサレム中のお店も何もかも閉まり、通りを走る車もいませんでした。見かけたのはきちんと身支度を整えてシナゴーグへ祈りに出かける人たちぐらい。何と静かな二日間。が、その代わりに自宅のまわりあちこちからプププププー、ププププとショファーが聞こえていました。これもこの砂漠の季節の風物詩でしょうか。

ユダヤのお正月が2日間あるそのワケ。ユダヤの一日は日没とともにはじまりますが、カレンダーがまだなかった大昔、どうやってユダヤの人々が日を確認したかというと、旧約の出エジプト記に書かれているように新月を数えることでした。新しい月は二人の証人によって確認され、その日が月の一日目となりました。そしてそれを火を炊いたり馬に乗って隣の村々へと伝えられたのですが、月の一日目は遠くの村にその連絡が届いた頃には夜が明けてしまうことなどもあったので、そこでお正月を二日に渡って守ることで誰もが間違いなく新年を過ごすことができるようになりました。月を見つけて日付を知る、安息日のはじまりは日が沈む時、そして空に瞬く星を3つ数えて安息日が終わる。遥か昔はなんともロマンチックだなあ。

ロマンチックといえば、シナゴーグ。おお、いきなり強引なこの引っ張りはなんでや?と思われるでしょうが、ハイ、その通り、強引に引っ張りました。で、うちの近所はシナゴーグだらけ。シリアのアレッポのシナゴーグ、おっフランスのシナゴーグ、イタリアのシナゴーグ、アッメリカ~ンなシナゴーグ、シナゴーグファンにはたまらんな~な地域で、内装もそれぞれ濃ゆいものから、ヨーロピアーンなゴージャス系まで色々。

たいていの正統派のシナゴーグは一階が男性用、一階を見下ろせるような作りの二階が女性用。これはフェミニストの間では男尊女卑だ!という方もいますが、すけべえな男性諸君が祈りの最中に美し~い女性に気が散らないように、そして伝統的には女性はあまりシナゴーグには行かなかったので、二階に女性の席を作るのは合理的な面も合わせてのことでしょう。
by ck-photo | 2005-10-06 06:36 | ユダヤの暦


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