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なんちゃってジャーナリスト、サイクリングへゆく。
昨日のニュースでまたしても邦人がイラクで人質となる事件が報道されていました。最初はふ-ん、またかい、という程度でしか気にとめていなかったのですが、今日のニュースを読んでいると新たな情報が載っているではないですか。

彼はイラク入りする2、3ヶ月前にテルアビブでバイトをして資金稼ぎ。あらっ、テルアビブって、イスラエル。ふむふむ。そして、アンマンへ入ってそこからイラクへ渡ったと。えっ?アンマンへはエルサレムからって、ひゃっ、それってここから?

なんでしょうね・・・。なんと言ったらいいのでしょうか。

もしかしてこの前あそこで見たヒッピーっぽい旅人は彼だったのだろうか。いや、あっちの通りですれ違った長髪の彼がそうだったのかも・・・。そう、多いのですよ、エルサレムには日本人のパッカー君たちが。そして彼らは往々にして現地の人は絶対に行かないような、その国のいわゆる「危険地帯」へ嬉々として乗り込むチャンスをうかがっているようでして。なんちゃってジャーナリストを語り、ほいっとそのへんの自転車なんかに乗っかってサイクリングにでも行くかのようにして、仮にもピリピリと戦闘が行われているラマッラやガザ地区などの町へ軽装で行ってしまうのです。


そして彼らが口をそろえたように発する言葉は、

「真実を見たいんだ」

サイクリングへ出かけた彼らは、一週間やそこらでこの土地で起こっていることの真実とやらを掴むのだという。ちょっと待ってよ。この国にかかわって10年とその1/2のオンナ一人、エルサレムの町に在リけり。真実なんてものがそんなに簡単にわかるのならば、このエルサレムのオンナの費やした10年とン年は、単にそのオンナがとんでもなくアホウなだけなのだろうか。いや、そうに違いない、きっとそうなんだ、うん、それが真実だったんだね?なんて、小さな頭を抱えてしまうのですよ。

ニッポン人の「なんちゃってジャーナリスト」予備軍のオニィ様、オネェ様方は、こうしてどこの誰かもわからない異国の覆面人たちに「首をちょん切るぞ」と脅されること、が彼らの知りたかった真実なのでしょうか。仮に真実などというものが見たければ、それは西岸地区やガザ地区へちょっとサイクリングに出かけてばったり出会うものではない。

本当に真実を、そして自分を探したいのならば、こんな所までわざわざ出かけてこなくても他にいくらでも道はあるはずです。「日本ではない」他の土地で、ほんのちょっとの好奇心が、ほんのちょっとのサイクリングが取り返しのつかないことになってしまう可能性が多々あるということ。それが特にこのあたりの土地の現実なんじゃないのかと。そして「日本人だから大丈夫」は、この中東あたりでは通じない。その反対に、日本人はいいカモになったりもするのです。

これもまた、人生の目標や目的を見出せない殺伐とした、欧米の表面だけをまねっこしているコイズミ日本の現状を反映しているのでしょうね。さて、今回は首相さんはどうするのでしょうかね・・・。
by ck-photo | 2004-10-27 03:23 | 混沌の文化


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