遅刻した結婚式
ベイト・シェメシュという街で行われたユダヤ教正統派の結婚式に行ってきました。
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e0009669_22514592.jpg日没と共に一日がはじまるユダヤ教では、結婚式はその日の終わりからはじめにかけてにはじまります。夏のながいイスラエルでの結婚式はガーディン・ウェディングが主流。夕日が沈む頃には、ガーデンの奥に「フパ」と呼ばれる、家の屋根を象徴するテントのようなも(4本の柱に天蓋があれるもの)のが建てられます。そして純白のウェディングドレスに身を包んだ花嫁さんは、女性たちに囲まれて花嫁の椅子に座り、新郎がやって来るのをドキドキしながら待ちます。(どうして左の写真に花嫁さんが座ってないかというと・・・。遅刻しちゃったのでこの部分は終わってましたのです、はい。)

e0009669_2256621.jpge0009669_2253229.jpg新郎と花嫁は結婚式の前の7日間は会わないという習慣があるのですが、男性たちにはやされながら新郎が椅子に座っているベールの花嫁を確認しに来たときにそれがやっと終ります。ここで新郎は7日ぶりに見る美しい花嫁姿の彼女にまた惚れ直すというわけでしょうか。その女性が間違いなく自分の妻となる女性だとベールを上げて確認します。そしてまた新郎は男性たちにはやされながら、いよいよ新居の象徴のフパの下へと向かい、母親に連れられて一歩一歩フパへ近づいてくる花嫁を待ちます。

フパの下ではラビ(ユダヤ教の教師)が式典を行い、新郎が花嫁に金の指輪を渡します。キリスト教や日本で行われる結婚式では、普通は指輪は「交換」ですが、では、この指輪の交換の由来はいかに??

ユダヤでは結婚の貢物はもともとは指輪ではなく、宝石や金銀、そのまた昔には数匹のラクダ、など価値のある品を新郎側が花嫁の父に支払いましたが、時代と共にだんだんと金が主流になり、現代になってそれが金の指輪となりました。それをまねてユダヤ以外の人たちも行うようになり、結婚式の指輪交換という習慣となりました。しかしユダヤの結婚式では、今でも指輪は交換ではなく、新郎から花嫁に渡され、花嫁の左手の人差し指にはめます。花嫁は「確かに新郎からもらいましたよ」と指輪の人差し指を差し出すようにして、ラビとまわりの証人たちに見せます。

次に「ケトゥバ」と呼ばれる結婚の契約書が新郎から花嫁の母に渡されます。このケトゥバには、結婚生活上の「夫の義務」のすべて、たとえば・・・、

・祭りごとに妻に洋服やアクセサリーなどの贈り物をする。
・離婚の際に渡す慰謝料の最低金額。
・妻を喜ばせる夜の生活。

などなど、具体的に「夫」が妻を幸せにするための義務の一つ一つが書かれ、こういう約束をしては一番イ~ヤな相手、そう、義理の母にしっかりと証文として渡されます。その反対に、妻にはどんな結婚生活の義務があるかというと、実は「妻の義務」はなし。なかなか女性としては嬉しいではないですか。男性の皆さん、「日本人でよかった~!」でしょ?

そして結婚式はハイライトへと。フパの下で新郎がワイングラスを力を込めて「バンっ!」と踏みつけて割ります。むかしむかしですが、このワイングラスを踏みつける理由が「なるほど・ザ・ワールド」かなにかでクイズになっていたのですが、結婚という人生の中でも最大級に喜ばしい日、その新しい家庭を築いてゆく初日にも、何世紀も昔のエルサレムで破壊されたユダヤの神殿を忘れない、その崩壊の悲しみを次の世代へと受けついで行くために、ワイングラスを踏みつけます。

e0009669_22541852.jpgバン!というグラスの割れた音と同時に歓声が上がり、結婚式はこれにて終了。ホールへと移動してみんな、ダンス!ダンス!ダンス!食べきれないくらいのフルコース・ディナーが待っています。ちなみに正統派では結婚式以外の行事でもダンスは必ず男女別々。会場に大きなメヒツァと呼ばれる仕切りを置きます。その理由は・・・・、長くなっちゃうのでまた今度・・・。がくっ。
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by ck-photo | 2004-08-30 01:30 | エルサレム・エルサレム


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