プリム 兵士 ヒッチハイク
月曜日のエルサレムは
旧約聖書のエステル記にちなんだプリムの祭りで、
仮装した人たちでいっぱいでした。
運悪く、わたしはテルアヴィヴの近くで仕事だったので、
今年のプリムの写真はなし。

プリムの祭りはユダヤの祭りまたは行事では珍しく
ユダヤの暦の中でもこの日だけは「酔っ払う」ことが前提。

シナゴーグではエステル記の朗読があり、
悪代官ハマンの名が読み上げられる度に
カタカタと音のなるおもちゃでブーイングを鳴らす。



テル・アヴィヴ近くでの仕事の帰り、
高速のそば、何もない荒野の真ん中のような
ツォメット・メスビムのバス停には
いろいろな方向への長距離バスが停まり、
どこからともなくたくさんの人が集まってくる。
近くには軍の基地もあり、
自宅からの通いの兵士の姿も多い。

この日はプリムとあって、
エルサレムへ出かける人も多いらしく
北部から来たエルサレム行きのバスは満員通過。
シェウルート(ミニバス)もやって来ない。
おかげで一時間も待ちぼうけを食らった。

待ちぼうけ軍団の中には
痺れを切らせてヒッチハイクを試みる人も多く、
でもイスラエル社会も変わってきたんだなあ。

昔は結構みんな停まってくれたのに、
現在はほとんど停まらない。
私も昔はよくヒッチハイクしたけれど、
今はもう危ないなあ。
しないなあ、できないなあ。

ひとり、エルサレムに向かう兵士君がヒッチを試みていた。
彼も一緒なら大丈夫かも?と、
いやいや、待てよ。
ヒッチしている兵士はアラビー(アラブの人)たちの
ターゲットになりやすい。
乗せてあげて、誘拐してどこかでお命頂戴いたします、
ってこともよく聞く話。
うかつに兵士君と同乗したがゆえに巻き込まれないとも限らない。

兵士君はご機嫌に口笛なんぞ吹いている。
その埃まみれのカーキー色の後姿を見ながら、
ん、そっか・・・・。

すっかり小麦色になった肌に
青い目のロシア移民の若者も
笑顔がまぶしいエチオピア移民の若者も、
まるで河原町あたりで
携帯でメッセージを打ちながら
バスを待っている大学生たちと変わらない。

だけど、
軍隊リュックに書かれた名前。
肩から提げた黒い重そうなマシンガン。

そう、
戦争が始まれば、
いざこざが起これば、
すぐにこの子達は
国を守るために身を守るためにこの銃を取り
ひとつ間違えばそこで命を終える。
リュックに大きく書かれた名前は
身元確認に役立つわけだ。

そんなこととは関係ないように
口笛を吹いているのも
ひょっとすれば
明日には命を終えているかもしれないことも、
どちらも現実なんだなあ。

そんなことを思っていると
ようやくエルサレム行きのバスが来た。
バスはすでに満員だったが
また次のバスまで30分ほども待つなんてまっぴら御免。
運転手横、入り口の階段に子供みたいに座る。

運転手「あれ?奥にもう空席ないの?」
わたし「ないよ」
運転手「あっそ。」

バスが高速に乗り、
ビュンビュン景色が流れる。
ひょとしたらここは特等席かも?
でもえらく事故の多いイスラエルの高速。
もしこのバスが事故ったら「ぷちっ!」
わたし、誰よりも先につぶれたトマトになるな。
どうかエルサレムまで無事に帰れますように。

プリムでエルサレムの入り口は大渋滞。
おいしいホムスで有名なアラビーのアブゴッシュの町から
普段なら10分のところを40分ノロノロ。
さすがに階段に座ったままではおしりが痛い・・・。

そうしてようやく着いたエルサレム。
バスを降りた瞬間に鼻がムズムズッ!
花粉さんよ、こんにちは。
恐るべし3月のエルサレムの空気。
[PR]
by ck-photo | 2007-03-09 02:50 | エルサレム・エルサレム


<< SmugMug、 ムッとしますな。 カルチャーギャップ >>