フツパ事件簿@アメリカン・コロニー・ホテル
先日のこと。1900年代のはじめ創業、エルサレムでも歴史ある「American Colony Hotel(アメリカンコロニーホテル)」へ友人とお茶に行ったときのこと。

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このホテルは古くから世界中のジャーナリストたちの贔屓宿というものの、かなり辺鄙なところにあり、歩く気分ではなかったので、ぴっかぴかのベンツで運ちゃんはアラブ男のタクシーに乗った。どうやら彼はわたしたちを観光客またはショートステイの外国人にわか住人だと思って、ホテルまでの道のりをぐーるぐーると余計な回り道をし始めた。

友人(男性)が助手席に座り、わたしは後部席。この友人は欧州からエルサレムに移住してきて7年ほどで、でもあまりイスラエルのフツパ(受けいれがたい悪態、無礼)気質になじまず、いまだに欧州の礼儀正しき男性。タクシーも自動的にメーターをかけてくれているものと思ってしまうらしい。

後部席に座っていたので、はたしてメーターが回っているのかよくわからず、まあいいわ・・・と思いながら、ホテルに到着。さて、降りようとすると、アラブ運ちゃんが「じゃ、45シェケル」と、ふつうなら25シェケルあたりのところを、なんともフツパなことを言い始めた。欧州紳士の友人はびっくらこいて、「そんな話は聞いていない、メーターはどうした?」とまっとうな返答。アラブ運ちゃんはここぞとばかり、「乗ったときにヘブライ語でホテルまでは45シェケルだよ、と言っただろうが!」と怒鳴り声。

聞いてないなあ・・・そんなこと。と思うも、男社会に生きるアラブ人相手の場合は女性は黙っていたほうがいい。友人とアラブ運ちゃんの水掛け論がヒートしはじめて、当然45シェケルも払うつもりもないわたしと友人は、「そいじゃ、払わないから」と一言残し、ホテルのロビーへと。

「こいつら払わねえって言いやがるんだ!X&%*$(#)@_!)*&$$#!!! (放送禁止用語の羅列)」

と、ロビーまでアラブ語の汚い言葉で罵声を飛ばしながら追っかけてくる運ちゃん。アラブ語はわからなくとも、そういう言葉は自然と理解できる。ロビーのフロント係りがすばやく警備員を呼ぶと、さらはアラブ運ちゃんは「警察を呼べ!警察だ警察!」と野太い声で叫ぶので、そこでこっそり友人に耳打ち。

「うん、警察呼べって方向に持ってったほうがいいよ。メーターなしでの営業は法律で禁止されてるから、捕まるのはあっち。」

それを聞いて、ふふんっと勝ち誇る友人。

「オー、それじゃ、呼んでもらおうじゃないか。だって、おまえ、それって違法だろ?」
「な、な、なんだと!汚いユダヤ人め!すべてのユダヤ人はお前のようなやつばかりだ!」
「オー、すべてのアラブ人はお前みたいなずるいやつばかりか?」

と、こんなちょっとした言い合いでも、宗教や民族が入り込む。で、だんだんと無駄に疲れてきたので、運ちゃんには「ほなサイナラ」と、ホテルのカフェに向かう。そうなればこちらはホテルのお客、でも運ちゃんは警備員が止めるのでさすがにそこまでは入ってこられない。

それからしばらくすると、カフェに警備員が申し訳なさそうにやってきて、他のタクシーの運転手に問い合わせたら、わたしたちの乗った距離だと25シェケルが妥当だとのことなので、申し訳ないがそれだけはこのアラブ運ちゃんに払ってもらえないかと。それならいいですよと、25シェケルを運転手にと警備員に渡して、一件落着。

と、いつものエルサレムの光景ながら、なんて疲れる日常なんだろうか。でもこのホテルは同じアラブ人経営といえども、まさにそんなエルサレムのオアシス。石造りの小さなアラブのお城のようでちょっと息抜きに最適。とはいうものの、そこにたどり着くまでがしんどすぎか・・・。

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by ck-photo | 2006-12-26 03:05 | エルサレム・エルサレム


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