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ハヌカがやってきた!
二日前の安息日(金曜の日没)からハヌカの祭りがはじまりました。ユダヤ暦ではたいてい12月の半ばごろにあたるので、少しは年末の行事らしいというか、街も少し華やいでワクワクするお祭り。

ハヌカの8日間の間、毎日、日没にあわせて玄関先や通りに面した窓におかれたハヌキヤとよばれるオリーブオイルのランプに火を灯していきます。各家庭ではお父さんが火を灯し、こどもたちがそばで歌を歌ったり、スフガニヤとよばれる穴の開いていないドーナツを食べます。このスフガニヤ、中には赤いジャムやキャラメルクリームが入っていますが、赤いジャムは決してイチゴジャムとはいえず、むちゃくちゃ子供だましのジャムです。が、ふつうのイチゴジャムよりもこのインチキ臭さがなんともハヌカで、けっこう好きだったりします。今年お店に出ているスフガニヤがあまりおいしくないというか、パサパサしてました。(←もう食べちゃった)


(写真は去年の使いまわしでごめん)

さてハヌカですが、もともとは紀元前2世紀のマカビヤ(ユダヤの一派)と、エルサレムを占領したギリシャの戦いにあります。ギリシャ軍はユダヤの人々をギリシャ化しようとしユダヤの行事などを禁止し、エルサレムのユダヤ神殿を奪いましたが、そこにエルサレム奪回へと戦いを挑んだのがマカビヤでした。そして、まったく勝ち目のなさそうだった彼らが奇跡的に勝利し、神殿を取り戻します。そして神殿を清め、オリーブ油で火を灯そうとしましたが、そこにはたったの一日分のオリーブ油しか残っていませんでした。新しいオリーブ油が届くまでにはまだ8日も待たねばならず、しかしその一日分のオリーブ油は奇跡的に次の8日間灯り続けたということです。

このことからハヌカでは8日間、家の前や通りに面した窓にハヌキヤをおき、人々が神が起こす奇跡を忘れないようにと、ランプの火を灯します。そして油にちなんだ食べ物を食べます。代表的な食べ物には、じゃがいものおやきのようなポテトラトケス、スフガニヤなどなど。子供たちはハヌカのお小遣いをもらったり、ヘブライ文字の書かれたコマをまわして遊びます。

ハヌカの間の日没後、家々の玄関口に灯る火が美しいエルサレムの街角です。今週中にいちど、写真を撮ってきます。お楽しみに。


ちなみにこのスフガニヤ、この同じドーナツをベルリンではベルリーナと呼びますが、アメリカのケネディー大統領が1963年にベルリンを訪れたときのスピーチはあまりにも有名。ドイツ語で「わたしはベルリン市民だ」というところ、文法を間違えて「わたしはベルリーナ(ドーナツ)だ」と、ドーナツ宣言してしまいましたね。そんなにこれが食べたかったのでしょうか。
by ck-photo | 2006-12-17 19:49 | ユダヤの暦


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