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本のゆくすえ
本日の一枚。

うちの近所で見かけた光景。
オーソドックス・ユダヤのおじいちゃんとおばあちゃん。
スーツケースをもってどこへ行くのでしょう。
本のゆくすえ_e0009669_11125668.jpg

おじいちゃんの隣には、大きなごみのタンクというのか、なんというか。
どこかの家でも直しているのかな、廃材が入れてありました。
エルサレムではこういう大きなごみタンクが、
ででーんっと路上で居座っていることが多いですね。

そして左手前の、鬼太郎の小屋のようなものですが、これも一種のごみ箱。
本専用の箱で、いらなくなった、または古くなったユダヤの宗教に関する書物はこちらに。

ヘブライ語で書かれたユダヤの宗教に関する書物には、
神の名や、ユダヤの宗教での聖なることがらが書かれているので、
むやみに捨てたり破いたり、燃やしてはいけないことになっています。
マドンナや他の芸能人(?)が学んでいるらしい、カバラと呼ばれるユダヤの神秘主義では、
ヘブライ語の文字を重ねたり破いたりすることによって、
その文字の持つ意味が変わってしまうと言われています。


そこで、黒ひげも(正統派ユダヤ)の各コミュニティーには、
こういった本の箱を起き、そこに集められた書物は専用の場所で丁寧に処分されます。


たかが本一冊、と思うかもしれませんが、ところ変われば品変わる。
彼らには、されど本一冊、なのでしょう。

これとは理由がちがうと思いますが、
わたしも子供のころから、本を大切にするようにと両親に教わりましたが、
今の時代はどうなのでしょう。


追記:書き忘れていましたが、本だけではなくてヘブライ語で書かれたチラシや印刷物も多いですね。これを書いた後で、正統派の街の一角でちょうど箱を開けているところを見ました。たくさんの印刷物を袋に詰めて、どこかに持っていくところだったようです。
by ck-photo | 2006-10-01 11:49 | ユダヤ雑学


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